ロシュ編
蜜編
サク編
蓮火編
アリエス編
黒編
しのめん編
奏湖編
ちこ編
志津編
タイキ編
ゆん編
なつめ編
卵茶編
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■ロシュ
みく子の元カレ。
二枚目、頭脳明晰、スポーツ万能で浮気者。
みく子と別れてエリカと付き合いながらも、みく子に未練がある人。
■蜜
みく子の現彼氏。
みく子のアバンギャルドなパーマを見て怒った。
世界を救いたいと思ってる人。
■サク
みく子の初恋の人。
みく子のことだけを考えながらも、人生に絶望してる。
悪魔と契約なんかしちゃってる人。
■蓮火
みく子の知り合い。
路上ライブで知り合い、アバンギャルドなパーマを見て
「とりあえず、そのパーマだけは直せよ!」と路上で叫ぶ人。
■アリエス
みく子と同じ研究室の学生。
先輩には卵茶もいる。
教授にいろんな意味で愛されてる人。
■黒
みく子のチャット友達。
るどんとビリヤードしたりもする。
みく子と実際に会ったことはない人。
■しのめん
みく子の友達。
どう見ても二児以上の父親としか思えない老けた大学生。
色の識別が出来ない人。
■奏湖
みく子の元後輩。
大通りにある24時間営業のマックス・ドックスの元気な店員さん。
みく子のライブポスターをそこら中に貼りつけた人。
■ちこ
みく子のストリート友達。
みく子と同じようにストリートで歌ってる。
昼は喫茶店、夜はダイニングバーじゅごんで働いている人。
■志津
みく子の友達。
「ふろーら・しょうだ」でバイトしてる。
落研で「るど」と漫才コンビを組んでる人。
■タイキ
蓮火の兄。
タクシードライバーをしている。
弟の蓮火のことをいつも考えてる人。
■ゆん
みく子の友達。
普段はたまにメールでやりとりしてる。
みく子のライブのポスターを作った人。
■なつめ
みく子の高校の同級生。
高校時代はみく子の生演奏を聴いたりしてた。
現在は立派に社会人をしている人。
■卵茶
みく子のゼミの先輩。
みく子とはよくメールをする仲。
後輩にはアリエスもいるがどちらからも先輩扱いを受けていない人。
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一日目:蓮火編 01話

彼女と出会ったのは三年前。
バイトで疲れ果て、酒を呑んで酔っ払って歩いている時の事だった。

正確に言えば、こちらが一方的に見ていただけだから、「出会った」という表現は適切でないのかも知れない。

寂れた飲み屋通りの路地で、アコースティックギターを持って座っていた彼女。
印象的だったのはそのオレンジ色の髪の毛だった。

あれは見惚れるという感覚なのだろうか。
酔いでふらついた足を止め、彼女を見た。

目が合った瞬間、彼女の唇が動き、それはやがて声になった。

歌いだした彼女の声は、髪の色と同じように明るく、周りを優しく包み込むように響いていた。
通行人の何人かと俺は、そこで足を止め、数曲の歌を聴いていたのを憶えている。
彼女の観客になること自体が当然であるかの如く。

歌が終わり、観客となった数人と彼女は話をしていた。
聞き耳を立てたわけではないけれど、会話の中で名前が「みく子」である事を知った。

とにかく、みく子と俺の出会いはそんな感じだった。

それから、何度かそこに足を運んだ。
いつもいるわけでは無かったし、時間もバラバラだった。
それこそ昼下がりだったり、深夜だったり。

ただ、その歌声だけは変わらないままであったのが嬉しかった。

バイトが忙しくなり、足を運ぶ回数が減ったのは一年前。
それから、季節は何回か移り変わり、今年も十月になった。
いきなり寒くなったから、またあの歌声を聴きたいと思った。
不思議と元気が沸いてくる、あの声を。

家を出て、みく子が唄う路地へ足を運んだ。
運良く、彼女は其処に居た。
だけど、そこには変わり果てたみく子が居た。

肌は人の目には眩しすぎる程白い。
その肌の色と同じように、歌声は攻撃性を伴っている。
そして何故かアバンギャルドなパーマをかけていたのだ。
通行人の何人かが足を止めてはいたが、すぐに立ち去っている。

歌が終わり、みく子は小さく「ありがとう」と言って、ギターをケースにしまった。

俺もショックを隠せない。
直接話す事は無かったが、三年もみく子を見てきたんだから。
立ち去ろうとするみく子の肩に思わず手を伸ばした。

「あの!」
「…何でしょうか。」

問いたい事は決まっていたはずだが、言葉にするのに時間がかかった。
言葉が出なかったのは、振り向いた顔が眩しかったからなのか。
思わず自分の手を見つめながら、言葉を捜す。

「ええ…と、みく子さんですよね。俺は蓮火といいます。」
「蓮火っていう名前だったんですか。」
「え?」
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一日目:蓮火編 02話

「何度も、歌を聴きに来てくれてたでしょ?
 なのに話しかけて来なかったから、こう考えてたの。
 きっと、この人はシャイなのかキモいのかどっちかだなって。
 あぁ、恐らく後者だなぁって。
 だから、なんとなく憶えてたんですよ。」

なんて失礼な!だけどその失礼っぷりのお陰で、吹っ切れたように言葉が出た。

「今日、久しぶりに見に来ました。
 でも、正直びっくりしてしまって…。
 率直に尋ねていいですか?
 イメージ、いきなり変わりましたよね?」

長い沈黙の後、みく子の肩から手を離す。
彼女の頬に、涙が伝っていたからだ。

不得意な、女の子の涙。
逃げ出すわけにもいかず、俺は声のトーンを落とした。

「座って話そうか。」

涙の理由を、みく子は少しずつ語り始める。

「蓮火さんは」

「あー…呼び捨てでいいよ。」

「蓮火は、最近来てなかったから知らないよね。
 今みたいにする事をね、ちゃんと前もって言ってたんだよ?
 だけどね、それに耳を貸さなかった人もやっぱりいたわ。」

「ごめん、知らなかった。」

「でね、それでも思い切ってやってみたの。
 それで蜜クン、あ、彼氏なんだけどね。
 蜜クンに最初に見せたら怒っちゃったの。
 なんで相談も無しに、勝手に行動しちゃうんだって言われた。」

そりゃ、そのパーマを見れば、至極当たり前の反応だ。

最初に頭に浮かんだのはそんな言葉だった。
だけれど、今の俺の目的は何だ?
ここで座り込んで、みく子と話をしている理由は何だ?

それは、前と同じように、周りを包むような声を響かせていたみく子の歌声を聞きたかったからじゃないだろうか。
オレンジ色の髪を揺らしながら、明るく唄うみく子を見たかったからじゃないだろうか。
ならば、彼氏に同情する気持ちは今はしまっておくべきだ。

「似合ってないとは言わない。
 だけど、前のイメージとはかけ離れすぎてるよね。
 ここまで変わってしまった理由はあるの?」

「刺激が欲しかったの。
 最近蜜クンかまってくれなかったから。
 だから私が変わろうと思ったの。」

あの歌声を発するみく子の中身は、こんなにも少女だったとは。
だけど、きっとこの原因の根は深いのだろう。
俺は、次の言葉を捜す。

「それで、その、蜜クンと喧嘩してしまったんだ。」

「あ、蜜クンとは一度仲直りしたんだよ?」

「じゃあ、もう攻撃的になる理由は無いじゃない。
 そもそも歌を唄いだしたのは何の為?」

「そうねぇ。最初は中学生の時だったわ。
 その後高校、大学ってずっと唄って。」

「どこの大学?」

「ここからすぐの国立。解るかなぁ?」

「…あぁ。ノートン教授の特講受けてる人がいるとか業界で騒がれてるあの大学か。」

「ノートン教授すごい興味があるんだけど!」

バイトで小耳に挟んだ、俺にとってはどうでも良かった情報が、まさかみく子を微笑ませるとは思わなかった。
笑った顔に少し心が揺れた。

歌いだした理由はもうどうでもよくなって、そのまま少し話は逸れていった。
だけど、それじゃダメな事は解っている。
残酷なほど時間が足りないのも事実。

「あのさ、明日もう一度会わない?」

「それじゃそろそろ」と彼女が言いそうな気配を察知して、慌てて出た言葉がそれだった。
しまったと思いながら、思わず目を逸らす。
そんな俺を見て、みく子は微笑みを返してきた。

明日、やっぱり聞いてみなきゃ。
みく子があの歌声を取り戻すのには、何が必要なのか。

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一日目:蓮火編 03話

「こんばんは♪」

今日はみく子が俺の肩を掴んだ。
昨日雑談のお陰で、最初の固さはもう無い。
これなら、本音を聞けるかも知れない。

「なんで明日も会おうって思ったの?」

みく子は小悪魔的な笑みを浮かべてそう言った。
しかし、その笑みとは裏腹に、病的な白さの顔が俺をゾクリとさせた。
一瞬言葉につまって、それでも俺は言葉を放った。
ただ、前と同じ歌声を聴きたいが為に。

「いや、俺はただ、昨日の質問の続きが出来なかっただけなんだ。
 彼氏と仲直りしたところまでしか聞いてなかったじゃん?
 その先。それでも元気が無いのは何故なのか。
 多分、歌声が変わったのもその所為なのかなって思ってさ。」

「…」

「昨日初めて話したような俺でよければ、
 理由、聞かせてくれないかな。」

昨日泣き出した時と同じように、しばらく沈黙があった。
弱々しい声で語り始めたみく子は、何かにすがるような目をしていた。

「最初に蜜クンと喧嘩した後、今日ね、元彼に会ったの。
 今の彼氏が怒る理由も解るって言われちゃった。
 それから、私の心の中でね、揺れてる想いがあるの。」

「元…彼?」

「うん。」

「揺れて…る?」

「うん。」

「その想いって?」

「それはヒミツ。」

そう言うと、みく子はまたあの小悪魔的な笑みを浮かべた。
明らかに、危ういとしか言いようが無い。
これが本当に、あの歌声を発していた本人なのだろうか。

「姿が変わっても、同じ歌声を出せると思ってたわ。
 だけど、前もって言っても殆どの人は聞いてくれなかったじゃない?
 思い切って変えてみたら、やっぱり歌を聴いてくれてた人の反応は悪いし。
 蜜クンや元彼でも接し方が違うんだもんね。
 だから当たり前なのかも知れないけど、私は不安になるじゃない?
 そしたら…。」

「…そしたら?」

「前と同じ様に歌えなくなってた。」

みく子の目から涙が零れる。
恐らく、変わる前兆はいくらでもあった。
あるいは、少しずつ内面は変わっていたのかも知れない。
それに誰もが気付かずにいた事実が、彼女の歌声の変化に関係あるのかも知れない。

「変わる事は、悪い事なのかな?」

俺に対しての、みく子からの初めての質問。
憶測でしか答えられない。
だけど、みく子がそれで進めるのなら、それでいいと思った。

「変わらないものはないよ。
 だけど、みく子の中で…その、さっきヒミツって言ってた想いがあるんでしょ?
 どちらに対する愛も本物で、変わった自分を受け入れてもらいたい。
 なら、どちらにも本音を伝えるべきなんじゃないかな。
 始まりはきっとそこだよ。」

ヒミツの中身を、俺は勝手に恋愛関係と解釈した。確信は無い。
力強く発した声と裏腹に、顔に迷いが出ているのでは無いかと思う。
静かに涙を流す彼女は、そんな俺の顔を見て少しだけ微笑んだ。

「そうすれば、また同じように歌えるかなぁ。」

「それは解らないけどさ。
 だけど、それだけ勇気出した後のみく子の歌声は聴いてみたいかな。」

しばらく地面を見つめた後、みく子はゆっくり立ち上がる。

「ありがとう。じゃあ、行くね。
 今度唄う時、蓮火も聴きに来てね。」

みく子の頬に流れる涙を、完全には止められなかった。
だけど、きっとみく子は動き出す。
もし歌声が変わっても、オレンジ色の髪を揺らす事が無くなっても。
その歌声が、周りを優しく包み込むような歌声であればいいな。

みく子の後姿を、そう思いながら見送る。
やはりまだ力無く歩くみく子の背中に、俺は最後の言葉を大声で叫んだ。

「とりあえず、そのパーマだけは直せよ!」

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二日目:蓮火編 04話

兄貴のタクシーにみく子が乗った。
信じられない偶然だと思う。まるで作り出されたかのような。
驚きながらも必死で兄貴と電話した後、一度家に帰って大学へ向かった。

本当はみく子と同じ大学に通っていた事を、何故あの夜に言ってしまわなかったのか。
歳をとる毎に、全てが曖昧になっていく。
バイトも中途半端で、それでもそこそこ出来て、一緒に働いていた不器用だった兄貴は「これ以上迷惑をかけたくない」というわけの解らない理由で辞めてしまった。その原因が俺なのか、質問してもいつもはぐらかされるから、いつからか質問しなくなった。
本当は、大学を出た後に、どこか別の地へ行ってしまおうと思っていたんだ。
バイト帰りに呑んで、帰りに路地で出会ったみく子の歌に、どれだけ助けられたか。
曖昧だった視界がクリアになっていくような、そんな歌声だった。

いくら感謝しても、足りない。
兄貴は何か勘違いをしていそうだが。

みく子を探すついでに、借りっぱなしだった本を返す事にした。
『現代IT概論』
これが昔の俺には必要だったのか疑問が浮かぶ。
少なくとも今の俺には必要ない。

図書室に入り、「本貸出システム」へと向かう。
借りた本を返すのに、このシステムを一度通さないといけないのが不便で仕方ない。

しかし「本貸出システム」の端末前に男が座っており、何やらつぶやきながら使用していた。

少し待ったが、「彼の名前は…」とかつぶやきながらニヤリと笑ったのが気味悪く、早くここを立ち去りたくなった。

「すいません、端末使いたいんですけど?」

彼はそそくさと図書室から出て行った。

「あんな男がこの大学に居たかなぁ。」

そうつぶやきながら本を返却する手続きを済ませる。
男が誰か、なんて解るはずがない。
俺は殆ど大学に来ていなかったんだから。

借りていた期間が長すぎて注意を受けた。
聞き流しながら考える。
俺が解るのは、帰国子女のロシュくんくらいだ。
バイトで、ロシュくんがノートン教授の特講を受けている事を知って、興味を持った。話しかけたら、笑って答えてくれたのを憶えている。
思えば、同じゼミだったのに殆ど話せずにいた。彼は俺を憶えてくれているだろうか。
彼くらいの人物がみく子の彼か元彼だったら、きっとみく子は前のように歌えるようになるんだろうな、と考えながら、係員に答える。

「以後、気をつけます。」

さて、ここからが本題だ。

「変わる事は、悪い事なのかな?」

あの夜の、みく子の言葉を思い出す。
図書室を出た後、小さな声でつぶやいた。

「もう一回、叫んでやる。待ってろ。」

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二日目:蓮火編 05話

学内に知り合いは少ない。
数人の教授と、少し話をしたロシュくんくらいだ。
彼等に会えれば、みく子の居場所がもしかしたら解るかも知れない。

もっと知り合いが多ければ。
バイトばかりして、大学に来ていなかった事を少し後悔した。

廊下を曲がると、ゼミの教授に会えた。

「ラッキー!教授、みく子さん、知りません?」

「ラッキー?それでみく子さん?
 あぁ、最近イメージが変わった学生だね。
 彼女なら、もう帰ったよ。あの頭は目立つからね。
 校門から出て行く所がすぐに解る。」

「ありがとうございます!」

何故こんなに必死になってるのか、自分でもよく解らなくなってきていた。みく子に会って、また叫んで、一体何になるんだろう。それとも、別の事を叫ぶつもりなのか。
考えて、考えすぎて、動けなかった。
そんな自分が嫌で、それでみく子の歌に惹かれたんだ。
なら、考えるな。動け!

意を決したように走り出す。
不意に教室から一人の男が出てきてぶつかった。
分厚い本が落ちる音がした。

「すみません!」

必死に叫んで、振り返らずに大学を後にした。
思い当たるところ、と言っても、みく子とはあの路地で話をした事しかないから、近くを走り回るしかない。
大通りを走ったが、居ない。
少し外れて、路地裏へ入った。

『ふろーら・しょうだ』が見えた。
昨日兄が通った路地はここだったようだ。
店長らしき人物が、オロオロして人を待っているようだった。

いつのまにか風が強くなっていて、今にも降り出しそうな空模様。

大通りに戻ると、信号機は赤に変わろうとしていた。
乱れた呼吸を整えながら、立ち止まる。
さて、どうしようか。雨が降れば、きっと今日中には見つからない。
そんな気がした。

不意に、左側から声が聞こえた。

「あれ?蓮火さん?」

アバンギャルドなパーマ。いや、みく子がそこに居た。

「…さんは要らないから。」

「信号待ち?」

「そう、信号待ち。」

「じゃ、私も!」

みく子が、隣に立った。
いざ本人を目の前にすると、本当に何を言っていいか解らなくなった。
俯いた俺の耳に街の雑音が響く。

「また、歌えそう?」

しまった、と思った。
俺が言った言葉は、何もかも聞き出そうとするような意味を持っている。
そんな気がしたからだ。

「ううん。まだ。」

彼女の答えがそれだけだった事に少し安心した。

「ただね。」

そこからの声は、静かに、しかし固い意志を持っているようだった。

「あれから、きちんと会って話をしたの。」

「良かった…え?どっちと会ったの?彼?元彼?」

「ふふ。ヒミツだよ。それで…。」

「それで?」

「もう、決めたわ。」

信号が青に変わった。

「そうか。良かったね。」

動こうとしない俺に、みく子が尋ねる。

「渡らないの?」

「それでもまだ歌えないの?」

質問を質問で返す。
遠くで、車のクラクションが鳴った。
その時、一瞬だったけど、雑音が消えた気がした。
小さなみく子の声がクリアに響く。

「これから、いや、明日になるかも知れない。
 もっと先になるかも知れない。
 いつになるかは解らないけど、取り戻しに行くわ。」

青信号は点滅に変わった。

「行くね。」

みく子は、横断歩道を渡り、向こう側の路地へ入った。
まだ後姿は見える。
信号が赤に変わった後、みく子が振り向いた。
手を振っているのが見える。
止まっていた車が動き出し、辺りが雑音で満たされていく。

「あ、忘れてた。」

そう呟いた時、信号が赤から、もう一度青に変わった。
信号待ちの車が止まり、もう一度俺とみく子の間の障害物が無くなる。

「もう一回言っとくぞ!」

ありったけの声で叫びながら、手を振り返す。

「とりあえず、そのパーマだけは直せよ!」

このニ度目の叫びはみく子の心に届いただろうか。
本当に伝えたかったのがこの言葉なのかは解らない。
俺自身、この叫びに込めたモノが解らない。
だけど、みく子は微笑んで路地の先へ進んでいった。
それだけで充分な気がした。

みく子が進んでいった方向をしばらく眺めた後、もうすべき事が無いような気がして、家に帰る事にした。
家に着いたら兄貴に電話しよう。

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二日目:蓮火編 06話

みく子の姿が見えなくなってから、しばらく空を見つめていた。
変わらず、未だに降るのか降らないのかよく解らない空模様。
雨音は嫌いじゃない。雨粒が地面に落ちて弾ける音を聞いていると、心が落ち着くから。
雨に濡れるのも嫌いじゃない。冷たくなりながら、自分の体温をリアルに感じられるから。
どうせなら、降り出せばいいのに。
そういえば台風が近付いてるんだっけ。

どうでもいい事を考えていたら、叫んだ後の高揚が静まってくる。
俺はまた歩き出した。

信号を渡らずに引き返す。

先程通った道を引き返すように歩いた。
単純に、俺の住むマンションがそちらにあったというのも理由だが、みく子の為に取った行動をふり返りながら、思考をみく子に向けておきたかったからだ。

大通りを外れ、裏通りへ。
少しだけ、先程と状況が変わっている。
店長らしき人物しか居なかった『ふろーら・しょうだ』の店先には、大学生くらいの女の子が立っていたし、近くには見た事のある男が姿を隠しているようだった。

図書室で会った男だ。

思わず、『ふろーら・しょうだ』の道向かいに足を運んだ。
さっき図書室で言った俺の言動に、みく子に会いたいという焦りから悪意が込められていたら、少なからず彼は俺を恨んでいると思ったから。

この裏通りを通って、信号でみく子と会って、また戻ってきた。
たったこれだけの間にも、人は動いて、状況は変化する。

「変わらないものはないよ。」

そうつぶやいて、少し俯いて立ち止まった。

「変わる事は、悪い事なのかな?」

あの夜、みく子のその質問に答えた。
でもそれは咄嗟に出た言葉で、俺の本心ではなかったんじゃないか。
いや、もうそれを考えても仕方ない事だ。
みく子は微笑んで、歩き出したんだから。
それで充分じゃないか。

また歩き出そうとした時、車が近付いてくる音がした。
思わず顔を上げる。
運転している男の顔に見覚えがあった。

ロシュくんだ。
彼の顔は、俺ではなく『ふろーら・しょうだ』へ向いていた。
俺には気付かない。いや、もう忘れているのかも知れないな。
俺の横を通り過ぎるのとほぼ同時に、声が聞こえた。

「エリカ!その人っ!みく子と居った人っ!!!」

全力で振り向いた。
ロシュくんの車の助手席。
そこに座っている女の子が、声の主に手を振っているのが見えた。

走り去る車を眺める。
混乱する頭を全速力で整理する。

つまり、もしかしたら、ロシュくんが、みく子の、元彼?

みく子は、蜜クンという彼氏と、ロシュくんの間で揺れていたのか?

「もう、決めたわ。」

つい少し前の、みく子の声が聴こえた気がした。

もしみく子がロシュくんの方へ向かったら?
図書室で、彼くらいの人物がみく子の彼か元彼だったら、きっとみく子は前のように歌えるようになるんだろうな、と考えていた。
だけど、ロシュくんの車の助手席には、みく子じゃない女の子。

マズい。今からみく子が、何かしらの気持ちを元彼、ロシュくんに伝えるとする。
既に彼女が居る事なんて知ったらどうなるだろう。

ショックでみく子が、更に白くなってしまうかも知れない。
アバンギャルドなパーマにアグレッシヴさがプラスされるかも知れない。
ラメなんか入ったら、白さは更に攻撃的になってしまう。
よしんば七色に光ってしまうかも知れない。

そんな事になったら、あの歌声はもう絶対戻らない。

その場から走り去り、俺は自宅へ戻って、ベッドに入った。
雨音を聞きながら、自分に言い聞かせる。

「落ち着け。」

そもそも、ロシュくんが元彼だなんて決まったわけではない。
たまたま、みく子と一緒に居ただけかも知れないんだから。

だけど、俺にはそれを確かめる方法があった。

携帯電話を手に取る。
メールを送る準備をする。
送信先は、兄貴。


件名:今日の昼
本文:みく子を乗せた時、隣に男が居ただろ。
   ハーフっぽい男前じゃなかった?


返事は返ってこなかった。
疑問が残ったままで、胃が痛くなってくる。
ベッドに寝転がり落ち着こうとしたが、混乱した頭は更に混乱してくる。
何時間そうしていただろう。疲れて考えるのを止めたら、雨音が聞こえた。
ついに雨が降り出したようだ。雨音は俺を眠りへと誘う。
整理出来てない頭の中、ただ願うように呟いた。

みく子。七色にだけは光らないでくれ。

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三日目:蓮火編 07話

着信音で目覚める。頭が重い。
兄貴からのメールだ。


件名:気付いてたのね
本文:知ってたのか。
   隣に乗った男はハーフっぽかったよ?♪
   あと、昨日の夜はみく子に関係ありそうな大学生を乗せた。
   名前は志野山…だと思う。
   呟いてた言葉を送っておく。
   ここまで来ると結末が気になる。
   何か解ったら連絡くれ。

   雨の夜空にちりばめられた言葉達(キーワードですぅ♪)
   蜜クン 彼氏 許せん
   ロシュ エリカ様の彼氏 許せん
   仲直り 一緒にイク
   アルビノ ひつじ

   ところで、大学生の間で『一緒にイク』は流行中か?


所々の妙な文体に殺意が芽生えたが、それよりは驚きが勝って目が醒めた。

何だ?志野山…くんでいいのか?
キーワードに、見慣れた単語が並んでいる。

蜜クン。が、彼氏。みく子のか?
ロシュくん。が、エリカさんとやらの彼氏。で合ってるのかな。

いまいち状況が掴めない。
イライラしている最中、会社から連絡が入った。

「あ?、はい。え?今日台風来ますよ?
 管理端末用パソコンの納品。
 一人で?俺バイトッスよ?
 はぁ。場所は…共都大学。」

バイトで通ってる学校に行くハメになろうとは。
電話を切った後、しばらく黙り込んで頭を抑えた。
バイトに行ってる場合じゃないんじゃないか。
キーワードを解きたい。
解いても何にもならないかも知れない。

管理端末の納品。大学のどの部分かは解らない。
だけど、データはサーバ機で一括管理されている筈だ。
学生名簿、みく子が気にしていたノートン教授の論文データ。
大事な所は教授室内のパソコンで管理されているだろうか、外向きの論文なら図書館でも探せるはず。
仕事は台風の影響もあるから、多分徹夜だ。
ならこの仕事、絶対に受けるべきだ。

外は台風。雨は強くなってきている。
移動の足は、車がいいな。兄貴に電話する。

「ふぁい!おはよう!」

寝惚けた返事に、先程のメールの殺意が一瞬戻ってきた。

「なんだふぁいって。
 それより、あのメールの内容は何だ。
 謎々か?」

兄貴は、当然だという口調で話し出す。

「いや、僕はもう解らなくていいんだ。
 そもそもみく子は、お前の問題だろうよ。
 出来る限りの情報を与えてるだけだ。」

それはそうだ。
みく子の肩を掴んだあの夜から、俺の願いは一つだけ。
彼女にまた、以前のような声で唄ってほしい。

「おっけい、解った。
 じゃあ、朝一番俺をバイト先まで送ってくれよ。」

電話を切り、兄貴の到着を待った。

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三日目:蓮火編 08話

兄貴のタクシーに乗り込んだ。

「で、何でキーワードを伝えた日に限ってバイトなのよ。」

兄貴は気に入らないらしかった。
仕事内容と、その仕事がキーワードを解く為だと説明したら、納得したようなしていないような、正に「ふぁい」的な顔をした。
その後、付け加えるように、申し訳なさそうに財布を差し出した。

「なんで財布?」

当然の質問と思って頂きたい。兄貴の返答。

「メールに書いた志野山くん。
 多分、関わってるから同じ大学だと思うのよ。
 昨日タクシーでお釣りいらないって言われたんだけど、良かったら、八千三百二十円。返してあげてくれないかな。」

「俺、解らないかもよ?志野山くん。
 あ、メーター上がる、切ってくれよ!」

「サービスしろってか。いいけどさ。
 そんときゃ、お前の懐にしまっとけ。
 それと、ごめんって言っておいて。」

「わかった。でも何で謝るの?」

「志野山くんが呟いた言葉。
 本当はお前に伝えるべきじゃない大切な言葉かも知れないから。」

バイト先に到着した。
軽く礼を言って、会社の人から仕事内容の説明を受ける。
納品する管理端末用パソコンは、図書室用「本貸出システム」だった。

一人の作業は何度かやった事がある。
ソフトインストール、データ移行、動作チェック。
図書室の本のデータが、この管理端末固有の物らしく、データ移行だけで夕方になるらしい。
その間に仮眠を取って、ソフトインストールと動作チェックは学生が引けた夕方からだそうだ。
多分、台風で朝まで帰れない。
作業としては楽勝だけど、体力的にキツイ。

「これ動作チェックの量、ハンパないっすね…。
 つまりは体力勝負な仕事ですか。そりゃ俺みたいな下っ端が選ばれますよね。」

会社の人は、「若いの少ないんだから頑張って」というような上目遣いをした。
上目遣いだけで、少しだけみく子を思い出した。

パソコンを営業車に載せながら、思った。

「あんな会社のオッサンにみく子を重ねるだなんて。不覚!」

大学に辿り着いた俺は、パソコンを図書室へ搬入した。

図書室に入る。時刻は十二時。予定時間に間に合ったようだ。
やはり普段から人は少ないようで、図書室内で一人、分厚い本を置いて学生が寝ているだけだった。

「本貸出システム」からケーブルを延ばし、搬入したパソコンに繋ぐ。
データのコピーを始めた。
「本貸出システム」自体は操作出来るが、今日は学生ではなく「作業員」の服装だ。
勝負はこれから朝まで。
キーワードを解くまでに許されたタイムリミット。

朝に兄貴から送られたメールを見ながら、みく子と初めて話した夜を思い出す。
ノートン教授の話をした時、嬉しそうな声に似合わず、目だけが真剣だった。

胸元の手帳に、メールのキーワードを書き込み、更に「ノートン教授」と書き加える。
予定通り、仮眠を取る事にした。

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三日目:蓮火編 09話

携帯アラームで目を醒ます。短い時間だが、いくらか頭はすっきりした。

「聞いてや?。またてんちょ?が…」

廊下から女子学生の声が聞こえた。

データ移行は完了していた。
必要なソフトをインストールし、ネットワークの設定を終えると、外の雨はもの凄い強さになっていた。

「あの?停電、しませんよね?」

残った図書室の係員に尋ねる。

「予備電源に切り替わるので、大丈夫です。」

さすが大学。いい金のかけ方してやがる。
動作チェックを途中まで終えた所で、係員が帰り、これから警備員の見回りになるようだった。

図書室に一人。

本貸出システムのデータベースを検索し、みく子や俺達が載っている学生名簿を探す。こんなモン図書室に置いてあっていいのか。
三つ目の棚の下からニ段目。本を取り出して、名前と顔写真をチェックしていく。

オレンジ色の髪の頃の、みく子の写真を見つけた。
それと、ロシュくん。
エリカ様と蜜クンは、多分これかなという目星だけ付けた。
志野山くんも同期生だったようだ。

「兄貴の勘、当たってんなぁ。
 志野山くん。お金返せるよ。」

しかし、名簿ではこれ以上の事は解らない。
やはり、次の手で行こう。

みく子と話したノートン教授の話。
あれが本当なら、インターネット、ネットワーク以外にも、遺伝子、流通、あらゆる分野の研究をしている事で、そしてそれらについて記した論文の高度さで、有名になったはずだった。

もしこの部屋に、ノートン教授の論文、又は監修した本が無ければ、キーワードは俺の脳内に浮かんだまま、それ以上の意味を持たなくなる。

動作チェックにデータベース自体の機能チェックがあった。
数種類のプログラムコードを走らせ、データを表示させる。

検索ワードとして、著者に「ノートン」と打ち込み、検索結果をチェックした。膨大な量のデータが画面に表示される。
とても探し切れないが、教授の論文や本がある事にほっとした。

「このキーワードで、関係ありそうなのは、アルビノかひつじ。」

検索ワードに「アルビノ」を追加する。

二件が該当し、データが画面に表示される。

「一般動物に見られる遺伝的病症」
「遺伝情報の欠損と振動が人体に与える影響」

雷鳴が響き、画面が一瞬揺れた。

声。振動。きっと、答えはこのニ冊目にある。

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三日目:蓮火編 10話

念の為、みく子が借りた本の履歴も見てみた。

「一般動物に見られる遺伝的病症」

こちらは最近、みく子が借りているようだ。それよりも前。

「遺伝情報の欠損と振動が人体に与える影響」

貸出日が九月十八日になっている。

幸い、図書室にあったようで、その本を取り出し、机に置く。
分厚い本は、ゴトリと音を立てた。
内容を少し読んでみる。


アルビノ

その割合は多くの民族で二万人に一人と言われている。殆どの場合、視覚的な障害を伴う。自然界での生存が極めて稀であるため、神聖なもの、或いは凶兆とされ、信仰の対象として畏れられる。


続きも少し読んでみたが、難しすぎて目が痛くなるようだ。
まるでみく子の肌と同等の攻撃力だ。
流石に全部は読めないので、気になっている振動がどう、と書かれていそうな部分を探す。

「人体から発せられる空気振動、声 -心理的要素-」

少しだけ呟いた。

あぁ、そうか。

みく子はこの研究をしているノートン教授に興味を持った。
アルビノだけでなく、それが声にどう影響するか。
歌を唄うみく子にとって、きっと大切な事だった。

人間が、自分の意思とは無関係に突然変化してしまうとして、それを恐れない人間が一体何人存在するだろう。

そのページ以外をパラパラと捲る。
きっと、色々な内容が書いてあるのだろう。
勿論、真面目でない学生の僕に、その本の高尚さは解らなかったが。
みく子はこれ、全部、読んだのかな。

昨日みく子に会った事を思い出す。

「もう、決めたわ。」

みく子の声には、確かな決意があった。

俺は、彼か元彼か、多分、「蜜クン」か「ロシュくん」かどちらかが、みく子の声を取り戻すのに必要だと思ってた。
だけど、みく子の答えはきっと、うん、本当にそうなのか解らないけど、ノートン教授の中にあるのかな。
多分、教授は、声だけでなく、アルビノに関わる色々な研究をしているはずだ。

「みく子は七色には光らないよな?」

イエス、人は七色には光らない。

「あー…俺が叫んだの、無駄だったか?」

イエス、みく子は決めたと言った。

「昨日みく子を見送ってから、心配したの、無駄だったか?」

イエス、もう答えは出ている。みく子の中で。

小さく笑いながら、本を元の位置に戻す。
手帳のキーワードを破り捨て、ごみ箱に捨てた。

「俺は、みく子が唄うのを、待てばいいんだな。」

そうだ。その歌声を聴けば、全ては解る。
答えを掴んだみく子の声は、一体どんな風に聴こえるんだろう。

きっとそれは、俺が聴きたかったみく子の歌声に違いない。

作業に区切りがついた頃、兄貴にメールを送った。
そのメールの本文を、口に出して呟いた。

「みく子は大丈夫。」

残りのチェックを終えたのは朝。図書室以外でのチェック事項が多すぎた。正に徹夜だ。
構内から出ると、台風は既に過ぎ去っていた。

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