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一日目:蓮火編 01話

彼女と出会ったのは三年前。
バイトで疲れ果て、酒を呑んで酔っ払って歩いている時の事だった。

正確に言えば、こちらが一方的に見ていただけだから、「出会った」という表現は適切でないのかも知れない。

寂れた飲み屋通りの路地で、アコースティックギターを持って座っていた彼女。
印象的だったのはそのオレンジ色の髪の毛だった。

あれは見惚れるという感覚なのだろうか。
酔いでふらついた足を止め、彼女を見た。

目が合った瞬間、彼女の唇が動き、それはやがて声になった。

歌いだした彼女の声は、髪の色と同じように明るく、周りを優しく包み込むように響いていた。
通行人の何人かと俺は、そこで足を止め、数曲の歌を聴いていたのを憶えている。
彼女の観客になること自体が当然であるかの如く。

歌が終わり、観客となった数人と彼女は話をしていた。
聞き耳を立てたわけではないけれど、会話の中で名前が「みく子」である事を知った。

とにかく、みく子と俺の出会いはそんな感じだった。

それから、何度かそこに足を運んだ。
いつもいるわけでは無かったし、時間もバラバラだった。
それこそ昼下がりだったり、深夜だったり。

ただ、その歌声だけは変わらないままであったのが嬉しかった。

バイトが忙しくなり、足を運ぶ回数が減ったのは一年前。
それから、季節は何回か移り変わり、今年も十月になった。
いきなり寒くなったから、またあの歌声を聴きたいと思った。
不思議と元気が沸いてくる、あの声を。

家を出て、みく子が唄う路地へ足を運んだ。
運良く、彼女は其処に居た。
だけど、そこには変わり果てたみく子が居た。

肌は人の目には眩しすぎる程白い。
その肌の色と同じように、歌声は攻撃性を伴っている。
そして何故かアバンギャルドなパーマをかけていたのだ。
通行人の何人かが足を止めてはいたが、すぐに立ち去っている。

歌が終わり、みく子は小さく「ありがとう」と言って、ギターをケースにしまった。

俺もショックを隠せない。
直接話す事は無かったが、三年もみく子を見てきたんだから。
立ち去ろうとするみく子の肩に思わず手を伸ばした。

「あの!」
「…何でしょうか。」

問いたい事は決まっていたはずだが、言葉にするのに時間がかかった。
言葉が出なかったのは、振り向いた顔が眩しかったからなのか。
思わず自分の手を見つめながら、言葉を捜す。

「ええ…と、みく子さんですよね。俺は蓮火といいます。」
「蓮火っていう名前だったんですか。」
「え?」

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