スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

書┃籍┃化┃第┃一┃弾┃♪┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛
★ブログじゃ読めないおまけページが盛り沢山!M線上のアリア A巻 購入はコチラから!★
にほんブログ村 小説ブログへ
↑ランキング参加中!感想の代わりにお願いします。

三日目:蓮火編 10話

念の為、みく子が借りた本の履歴も見てみた。

「一般動物に見られる遺伝的病症」

こちらは最近、みく子が借りているようだ。それよりも前。

「遺伝情報の欠損と振動が人体に与える影響」

貸出日が九月十八日になっている。

幸い、図書室にあったようで、その本を取り出し、机に置く。
分厚い本は、ゴトリと音を立てた。
内容を少し読んでみる。


アルビノ

その割合は多くの民族で二万人に一人と言われている。殆どの場合、視覚的な障害を伴う。自然界での生存が極めて稀であるため、神聖なもの、或いは凶兆とされ、信仰の対象として畏れられる。


続きも少し読んでみたが、難しすぎて目が痛くなるようだ。
まるでみく子の肌と同等の攻撃力だ。
流石に全部は読めないので、気になっている振動がどう、と書かれていそうな部分を探す。

「人体から発せられる空気振動、声 -心理的要素-」

少しだけ呟いた。

あぁ、そうか。

みく子はこの研究をしているノートン教授に興味を持った。
アルビノだけでなく、それが声にどう影響するか。
歌を唄うみく子にとって、きっと大切な事だった。

人間が、自分の意思とは無関係に突然変化してしまうとして、それを恐れない人間が一体何人存在するだろう。

そのページ以外をパラパラと捲る。
きっと、色々な内容が書いてあるのだろう。
勿論、真面目でない学生の僕に、その本の高尚さは解らなかったが。
みく子はこれ、全部、読んだのかな。

昨日みく子に会った事を思い出す。

「もう、決めたわ。」

みく子の声には、確かな決意があった。

俺は、彼か元彼か、多分、「蜜クン」か「ロシュくん」かどちらかが、みく子の声を取り戻すのに必要だと思ってた。
だけど、みく子の答えはきっと、うん、本当にそうなのか解らないけど、ノートン教授の中にあるのかな。
多分、教授は、声だけでなく、アルビノに関わる色々な研究をしているはずだ。

「みく子は七色には光らないよな?」

イエス、人は七色には光らない。

「あー…俺が叫んだの、無駄だったか?」

イエス、みく子は決めたと言った。

「昨日みく子を見送ってから、心配したの、無駄だったか?」

イエス、もう答えは出ている。みく子の中で。

小さく笑いながら、本を元の位置に戻す。
手帳のキーワードを破り捨て、ごみ箱に捨てた。

「俺は、みく子が唄うのを、待てばいいんだな。」

そうだ。その歌声を聴けば、全ては解る。
答えを掴んだみく子の声は、一体どんな風に聴こえるんだろう。

きっとそれは、俺が聴きたかったみく子の歌声に違いない。

作業に区切りがついた頃、兄貴にメールを送った。
そのメールの本文を、口に出して呟いた。

「みく子は大丈夫。」

残りのチェックを終えたのは朝。図書室以外でのチェック事項が多すぎた。正に徹夜だ。
構内から出ると、台風は既に過ぎ去っていた。

書┃籍┃化┃第┃一┃弾┃♪┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛
★ブログじゃ読めないおまけページが盛り沢山!M線上のアリア A巻 購入はコチラから!★
にほんブログ村 小説ブログへ
↑ランキング参加中!感想の代わりにお願いします。

≪三日目:蜜編 現在 28話 | TOP | 三日目:サク編 02話≫


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。