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四日目:ロシュ編 13話

「こんにちは。教授。
外は台風一過のいいお天気ですよ。空気がカラッとしていて本当に気持ちいいです」
オレはいつも通り、挨拶のあとに外の天気の話をする。

「そうかロシュ。ここにいると外の様子が分からんからの」
ノートン教授は、眉を上げて口元で少し微笑んだ。

「そして、そちらがみく子君か。君の話はロシュから聞いておる」
ノートン教授はいつもの厳しい表情に戻り、キッとした鋭い眼差しでミクを見る。

「はい。こんにちは。はじめまして。」
ミクはペコリと頭を下げ、挨拶をした。

「ふむ。 お会いするのは初めて …じゃったかの? ふむ…。まあ、良いか」
ノートン教授は真っ白な顎ひげに手をやりながら呟いた。


「教授、例のレポートです。」
オレは、カバンからフラッシュメモリーを出して、教授に渡す。

「ふむ。」
ノートン教授はフラッシュメモリーを受け取り、ソケットに挿し、モニターを見ながらマウスを操り、ファイルを開く。


「まだ、作成段階ですので、不完全な部分はあるのですが…」
仕上げの出来ていないレポートだったので、オレはそう付け加えた。

「うむ。」
老眼鏡をかけ直し、ノートン教授は超人的なスピードでファイルを開き、次々に内容を見ていく。

「なるほど… 作成段階にしては今回もなかなか良く出来とる。大きな修正点はなさそうじゃの。このまま続けたまえ」
ノートン教授はそう言って、オレの方を相変わらずの鋭い眼差しで見た。
「何か質問はあるかの?」

「はい。あの… ちょっと判断に迷っているところがありまして…
この八個目のファイルの”内部変更に対しての自己回復と修復機能”は、この方向性で進めてよろしいのでしょうか?」
ノートン教授にマウスを借り、ファイルを開き、該当箇所をポインターで指す。

「うむ。そうじゃの。それは受け手側次第になるじゃろうが、自己変化と進化という視点も必要かもな。自らを変わることも大事かもしれんのじゃよ」
ノートン教授は、話に参加していないミクを横目でちらりと見ながら言った。

「分かりました。その視点からも検証してみます」
なるほど、さすがは教授だ。一手先を読んでいる。

再び、ノートン教授はマウスとキーボードを使い、恐ろしい早さで修正点を打込み、ファイルを閉じ、フラッシュメモリーをオレに渡した。

「前回の学会でのロシュのプレゼンは良かったぞ。あのビル君も触発されたのか、先日新しいブラウザーを発表したようじゃの。今回も期待しとるぞ」
ノートン教授に肩をポンポンと軽く叩かれた。
老眼鏡の奥に光る鋭い目が、少し優しい目になったように見えた。

「ありがとうございます。任せてください。きっとご期待にお答えできると思います」
オレは自信満々に答えた。


「さて、みく子君…」
オレとの話が終わったところで、ノートン教授は鋭い眼差しでみく子を見ながら言った。

「はい。実は、私、教授にお願いがあって来ました」
「うむ。」

「教授、もう頼りにできるのは教授だけですから…
これを見てください」
みく子はMOディスクを取り出し、ノートン教授に渡した。

「MOディスクか…」
ノートン教授は、ドライブにMOディスクを入れた。

ファイル名が表示されたところで、ノートン教授はクルっとモニターの向きを変え、オレから見えない方向にした。
「これは… そうか… みく子君、やはりそうか」
いつも鋭いノートン教授の目が、少し潤んでいるような気がした。

「はい。そうです」
みく子はノートン教授を大きな目で見ながら言った。

ノートン教授は、ふうーっと大きな息を吐き出した。
ノートン教授の顔は、喜びと悲しみ、そして希望と落胆の交じり合ったような今まで見た事のない複雑な表情だった。

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