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五日目:しのめん編 37話

僕にはまだここでやっておかなきゃいけないことがある。

『ふろーら・しょうだ』の前でたった一度だけ見た背の高い男。
みく子さんの彼氏で蜜クン、通称ミックンを探し出さないといけない。
僕はみく子さんを泣かした張本人をまだ許せないでいる。

『ふろーら・しょうだ』の前でミックンを見たのは、三日前だ。
なぜか、十日ぐらい前に感じてしまう。人間の感覚は恐ろしい。
僕は『ふろーら・しょうだ』へ向かった。


大通りから静かな裏通りへ入る。ここに来ると少しだけ胃が痛む気がする。
『ふろーら・しょうだ』を遠目に確認した。店の中に男の人と女の子がいる。女の子は志津さんだ。
僕は店の中へと入った。


「すいませーん」

「いらっしゃいませー!」


元気良く志津さんが応えた。


「ありゃ?しのめんくんじゃまいか」

「あれ?この子、お志津の知り合いー?」

「そう、大学の友達やねん」

「友達ー?夜までお志津のこと見てたりするぐらいだから、彼氏かなんかとちゃうんかいな」


どうやら、三日前に隠れてこの店を伺っていたのを見られているらしい。
そんなことお構い無しにニ人のやりとりが続く。


「そんなんちゃうわー!てんちょ?のあほ?」

「それならあれや、彼は愛の告白をしにきたんやな!良かったなお志津!やっと春が…」


綺麗な肘鉄が店長のみぞおちにめり込んでいる。
店長は声が出せないくらい苦しいみたいだ。可愛そうに。


「そんなんじゃないよねぇ?しのめんくん?」


若干、顔がキラキラして期待に満ち溢れている気がする。
「そんなぁ、まさかぁ、ねぇ、でもぉ、困るわぁ」とか小声で言いながら、志津さんはじりじりと詰め寄ってくる。
早くこの状況から脱しなくては。


「あの、蜜クンがどこにいるか知りません?」

「へ?」


なんだか志津さんがマヌケ顔だ。そんなに期待してたのか。
あからさまに肩を落としてガッカリしながら志津さんが言った。


「なんやよー知らんけど、この辺でバイトしてるみたいやでー」


関西弁で言われた。
標準語っぽく話すのも出来なくなるぐらいに落ち込んでいるみたいだった。


「一年ぐらい前だったら『呑み処 お松』やってんけどなー」


背中越しに声が聞こえる。そんなにショックなのか。
奥で店長が笑うのを堪えてプルプルしている。
ニ回目の肘鉄が決まった。


「ありがとう。そっちの方にも行ってみます」


志津さんは無言のまま手をヒラヒラとさせていた。
『ふろーら・しょうだ』を出ると店の中から声が聞こえる。
なんとなく聴覚に集中してみた。


「お志津ー、人生まだまだこれからやからな!」

「うっさい!別になんも期待しとらんかったわ」

「あんまり強がって難しい顔してたら小ジワ増えるで?」

「…」


三回目の肘鉄が決まる音がした。

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