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六日目:卵茶編 10話

「さってっと…そろそろ行こうかな。先に集まってる人も居るかもしれないし、ね。」

みく子が立ち上がる。次いで俺も立ち上がり、レジの方へ。

「いっしょで。」
言いながら、みく子が財布を出す。
「千二百五十円ね?」とのおばちゃんの声に、みく子が財布を開き取り出したのは、二枚の千円札。覗きこむと、それで財布は空っぽ。少なくとも札は無い。

…俺は深々とため息をつき、みく子が小銭を用意してる間に自分の財布を出す。
そして、みく子の頭をポンポンと上から叩く。振り向いたみく子の顔の前に出したのは、こちらも二枚。ただし、万札。
「俺が出す。」
ビラビラさせた万札に、みく子はぐぅと黙り込む。

普通に千円札で支払いを済ませて外に出ると、みく子が不満気にぶちぶちと言う。
「奢るって言ったのに…」「心配させたお詫びだって言ったのに…」「確かにお金無いけどさ…」「でもでも入る予定あるって言ったもん…」

後ろでうるさい。
「い?じゃねぇかよ。金あるときには奢るのが俺の主義なんだよ。」
「だってぇ、今日だって話聞いてもらったのにぃ…」
「まだ言うか。…いんだよ。んじゃあ今日のライブに対する期待ってことにしとけ。」

「………はぁ。んもう。」
とりあえず呑み込んだらしい。でも、とみく子が続ける。
「…今日のライブは、一切お金貰わないつもりなんだ。だから、普通に奢られたってことにしとく?。…金が入ったら絶対奢りますからね!」
「あいよ。」
とりあえず納得したらしいみく子は、俺の前に出て、そのまま歩き出す。
「とりあえず、ゆっくり行こうか?お腹もいっぱいだしね?」
と、言葉通りにゆったりとした歩調で。

ふわふわと揺れるアバンギャルド。
白い街頭に照らされ、眼の中に残像が残る。


「ちょいと、みく子さんみく子さん?」
「な?ん?で?す?か??」やけにのんびりと返すみく子。

「んっとさぁ、さっきの質問。」
これだけで見当はつくはずだ。
「………ん?」
みく子は振り返ることなく、ゆったりと、促す。

「一応さ、俺なりの答え、用意してみた。」
「………ん。」
ゆっくりと流れる時間。

「………変化ってのはさぁ、普通、なんだ。」
「…」
「今この瞬間にも、一瞬前の自分とは違うんだよ…なんて、よくある言葉だけど。」
「…」
俺のときとも、さっきとも、また違って。
みく子はこちらを見ようとはしない。
俺もみく子を視界の端に捉えながらも、閉じたシャッターや街灯に目をやりながら、歩く。

「変化には、常に始まりと終わりとがセットで付いてくるんだ。」

「何かが変わってしまったときには、新しい何かがそこにあるんだ。」

「変わってしまったものを惜しむ気持ちはきっとあると思うんだ」

「でもそれよりも、生まれた新しい何かを、祝ってあげたいと、俺は思う。」

「…ちょっと、理想が過ぎるかもしれないけど。」

………
こんな言葉で伝わるとは思わない。思わないけど。



「…よし!!」
みく子が急に背伸びをした。
「やっぱり走ろう!きっとみんな待ってるから!!」
振り向いた顔には、やっぱり笑顔。

…走り出したみく子。
……揺れるアバンギャルド。
………残像。






ライブ会場の広場には、それなりの人数が集まっていた。

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