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六日目:ロシュ編 30話

「あ。ロシュ。お帰りぃ」
エリカは玄関にスリッパをぺたぺたと鳴らして走ってきて、明るく声で言った。
「エリカ!ど、どうかした?」
オレは口から心臓が出るくらい心配で慌てて帰ってきた。

「うん。あのね… 今日はね、ロシュのおウチをお掃除して、お洗濯して、一度エリカのおウチに帰って、お着替えして、いろいろ持ってきて、お買い物に行って、お料理してみました!」
エリカは呆気羅漢という顔をして言った。
「えっ?」
ラブラブカップルの日常にありがちな返答なのだか、昨日のあの出来事から明けてわずか一日という状況からすると、意外過ぎるエリカの返答にオレは驚いた。

「エリカちゃんエライ! ちょっと来てみて」
連れられて中に入ってみると、部屋中きれいに片付けられ、部屋の片隅にはエリカのピンクの大きなトランクが置いてある。
キッチンの方からカレーの匂いがする。

「エリカちゃん、エライ?」
エリカは悪戯っ子の様に目をくりくりしながら言った。

「エリカさ。オレ、何かあったかと思って、ダッシュで帰って来たんだぜ…」
オレがちょっと怒って言うと

「エリカちゃん、悪い子?」
とエリカはオレに答えを請うような顔をして言った。

「はいはい。エリカちゃん、エラい。エライ。いい子。いい子。ありがと」
オレはちょっと呆れて、エリカの頭を撫でて言った。

「へへへ。ゴハン食べた?一緒に食べようと思って。カレーが出来たら電話しようと思ってたの」
エリカはニコニコしながらオレの手を引いてキッチンに連れて行った。

「おーうまそう。実は、オレまだお昼食べてないんだよ」
オレは、安心したお陰で余計に腹が減った。

「一緒に食べよっ」
エリカはニッコリ笑った。


一緒に遅いお昼のカレーをいつものように並んで食べながら、エリカは
「エリカ、しばらくロシュんちにご厄介になります。よろしくね」
と言った。

「うん。オレもその方がいい。いろいろ心配だから」
オレが答えると

「もう、ロシュさ、帰ってきた時の顔、凄かったんだから。ちょー真剣なの」
エリカはケラケラ笑いながら言った。

「そこ笑うトコじゃないって。ホントに心配したんだからさ」
オレはちょっと怒って言った。

「ごめーんピョン」
「ぜんぜん謝ってないし」

「あーら、ゴメンあそばせ」
「ほーら、また本気で謝ってない」

ふふっとオレとエリカは笑った。


「ねえ、ロシュ。今日はみく子ちゃんのライブなんだよ。一緒に行くって約束したもんね」
「うん。そうだね」
オレはそう言って時計を見る。
「やばっ!そろそろ行かなきゃ、始まっちゃうよ」


オレとエリカはミクのライブへと手を繋いで向かった。


ミクは、いつもの路地裏と言われる場所でライブをやっているようで、ライブをやる時でも、オレには何故かまだ来ないでといつも言っていた。
今日のライブが最後になるらしい。
いつもやっているはずのライブを、今回なぜ最後にするのか?
そして今回、ミクがそのライブを見に来て。と言った理由は?


自らもどう変化するか分からないミクの不安定なバイオロイドの体。
見た目は普通の人間と変わらないが、自らが望もうが望むまいが、徐々に変化していく。

そんな深刻な悩みを抱えつつも、ミクはいろいろな人を受け入れ、友達も多い。
自分が架け橋となって、いろいろな人と人とを繋いで、ミクを挟んで友達同士という人も多い。

皆を受け入れ、皆に受け入れられたミクは、どう容姿が変わろうが”ミクはミクだ”


今も手を繋いでいるエリカ。
見た目は普通の人間と変わらないが、ミクと同じバイオロイド。
エリカはミクと違い完全安定体だから、成長伴う変化以外は発生しないだろう。

エリカがバイオロイドという真実を知ろうと知るまいと
やはり、オレはエリカの細いこの手を変わらず、ずっと繋ぎ続けるだろう。

やはり、”エリカはエリカ”だ


変化していくミクと変化しないエリカ。

ミクとエリカは、そういう意味で対照的なニ人だが
同じ時間に同じ場所に存在していて
繋がっていたのは、偶然なのか必然なのか?



「いそげ。いそげ」

オレとエリカは、手を繋いだまま人だかりの方へ走った。

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