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六日目:卵茶編 17話

終わりの始まり。

「次で、最後の曲です。」
残念そうな「え??」という声と、拍手。
「今日、私が本当に聴いて欲しいのは、この歌です。曲名は…」

少しの間。
沈黙が支配し、みく子がため息のように言葉を吐いた。

「『アリア』。」

終わりの始まりの、終わり。

終わりの終わりへと。

向かう物語。



???



もしも今

私が消えたとしたら

あなたは隣にいる人と

手を取って

泣くのでしょう

でもやがて

悲しみは薄れ

涙は乾き

より固く手は繋がれて

いつの日か

キスをするの

私はそれを見て

きっとまた歌いだす



あなたに感謝を

あなたの大切な人に感謝を

あなたが大切な人に出会えたこの世界に感謝を

今ここに居る

あなたに愛を



???



ふいに風が強くなり、みく子の歌声が聴こえなくなる。
焦って振り返りみく子を見る。











あぁ、そうか、この光景だ。

涙が零れる。

その時俺が見たものは。

街灯に照らされ、オレンジ色のみく子の後ろ姿。
ギターを弾き、歌う後ろ姿。
揺れるアバンギャルド。
残像。

その先に。

涙を流す人。
眼を閉じ聞き入る人。
見とれるように眺める人。
横に居る相手と寄り添う人。
…みく子のような笑顔を浮かべる人。

みく子の奥にいつも見えていた光景。

みく子を形作っていたモノ。

飯屋で志津さんが重なって見えたときや、デュエットをしているとき。
それだけじゃない、いつも見えていた。
透明感のある歌声。
その先で、様々に移り変わる色と感情。
みく子の中に写し取られた人々。

みく子と出会ったこと。
みく子に会うこと。
みく子と話すこと。
それらはまるで、みく子の中に“自分”を書き込むような行為で。

だからこそ。

だからこそ、誰もがみく子の周りに集まる。
誰かを投影し、自分を投影し。
誰かに逢い、自分を見つめる。

だからこそ、誰もがまたみく子に会いに行く。

そして今。

みく子を通じて、これだけの人数が、この場所に集まった。



涙は、気付かない内に止まっていた。

風も、止まっていた。

ここに来て良かったと、やっと思えた。

最後のフレーズが、耳に届く。強く心を揺らす。


?私が出逢えた、全てに愛を
?あなたの紡いだ糸が、今ここで交わるの


みく子の顔は見えないが、泣いているのかもしれない。
14曲も歌って疲れているのかもしれない。
冷たい空気に、喉が限界なのかもしれない。

誰か気付いただろうか?





みく子の声は少しだけ。
震えていた、気がする。





心を揺らす。
心が揺れる。
髪が揺れる。
髪が停まる。
曲が停まる。
曲が終わる。

暗がりから拍手を送る。

いや、俺もあそこへ行こう。
あそこへ行って良いんだ。

みく子の近くへ。
みんなの横へ。
誰かの前へ。

行こう。

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