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六日目:蓮火編 14話

「   」

みく子は曲名を、空に向かって言い放った。
アコースティックギターに、みく子の指が触れる。
今日、最後の 。
歌声が、路地の空に溶けていく。

みく子の姿は、未だアバンギャルドなパーマで、肌は   白いままだ。
俺の叫びの甲斐は、やっぱ 無かったのかも知れない。

でも、今、空に溶けていく声。
それは、最初にみく子の肩を掴んだ夜の、あの攻撃的な声では無かった。
オレンジ色の髪の毛を揺らしていた時の声とも違う。
何ていうか、もっと、悟ってるっていうか、大きく皆を包むような。
例えば、それは人に合わせて色を変えてしまうような。

「なんか、すごいね。」

横に並んできて、ちぃたんがそう言った。

「生まれ変わった。」

俺がボソっとそう言うと、今度はミナミが並んできてこう言った。

「リニューアルしたっちゅー事か?」

その言葉を聞いて、俺は笑った。
正にその通りだ。

なんだ、結局、本質は変わらない だな。

みく子の歌 は、やっぱり周りを優しく包み込んでいる。

「変わる事は、悪い事なのか ?」

変わらないものは、きっとあるんだろう。

「  同じように歌えるかなぁ。」

ちょっと変わったけど、前よりもっと凄い声で歌えてる。

「へへっ。」

俺は、いつの間にか微笑んでいた。

最後の歌は、程なく終了した。

「どうもありがと 。」

そのみく子の言葉を聞いて、僕は振り返り、歩き出した。

「お、おい。最後に挨拶くらいしていかんの?」

ミナミとちぃたんが、そう言って俺の後を付いてきた。

「いいんだ。もう、俺、胸いっぱいだから!
 じゃ、またな。」

ミナミとちぃたんと別れ、家路に着いた。
路地から出て、人気の無い道路へ。

今回のみく子に関して、兄貴に随分協力してもらったな。
今度呑む時は、俺が奢ろう。バイト代が入ったら。

そういえば兄貴、俺が小学校ニ年生になるまでは、俺のほうが出来なかったのに。
何で立場が逆転したんだろう。

黒猫が、前方から歩いてくる。
今は何だか気分がいい。
微笑みながら黒猫を眺める。
黒猫と、目が合った。

「変  事は、 い なのかな?」

みく子の言葉を思い出す。

「悪い事じゃない。その存在意義さえ、見失わなければ。」

すれ違い、俺はまた前方を向いて歩き始めた。
その時、正に前方を向いた瞬間。

俺の後頭部に、手の感触があった。

「そ?さ。変わる事は悪い事じゃないんだよ?蓮火くん。」

「…誰だ?」

体が、動かない。

「誰だ、とはつれないな。もう十五年の付き合いじゃないか。」

「何を言っている?」

暗い海の底から、話しかけてくるような声。

「まぁ、お前は契約時の年齢が低かったからな。
 願いが漠然として大きすぎた。
 こちらも、願い相応のリスクを君に課した訳だが…。
 俺の事を忘れているのも、それは契約だ。
 ただ、俺に関しての記憶は、無くなるでなく、忘れる、だ。
 思い出せるだろう?」

「契約?金なら無いぞ!」

「余りに美味しそうなので、先に味見させて貰ったよ。
 だが、まだあの願いの分だけの報酬を得ていないのだよ。
 君が願いを叶える為に支払う記憶は、分割払いだからね。」

思い出した!

「そうか、お前は、あ!あく!まぁあ゛」

「イエス、お前達が求める限り、俺はその名で呼ばれるのさ。
 それじゃあ、いただきます。」

みく子、一つだけ言い忘れてた。

例えば、何の行動もせずに、何もかも上手くいくと思う事。
ただ、文句だけを垂れ流しながら、良い方向に変われと願う事。

それは、きっと悪い事だ。

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