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二日目:蓮火編 04話

兄貴のタクシーにみく子が乗った。
信じられない偶然だと思う。まるで作り出されたかのような。
驚きながらも必死で兄貴と電話した後、一度家に帰って大学へ向かった。

本当はみく子と同じ大学に通っていた事を、何故あの夜に言ってしまわなかったのか。
歳をとる毎に、全てが曖昧になっていく。
バイトも中途半端で、それでもそこそこ出来て、一緒に働いていた不器用だった兄貴は「これ以上迷惑をかけたくない」というわけの解らない理由で辞めてしまった。その原因が俺なのか、質問してもいつもはぐらかされるから、いつからか質問しなくなった。
本当は、大学を出た後に、どこか別の地へ行ってしまおうと思っていたんだ。
バイト帰りに呑んで、帰りに路地で出会ったみく子の歌に、どれだけ助けられたか。
曖昧だった視界がクリアになっていくような、そんな歌声だった。

いくら感謝しても、足りない。
兄貴は何か勘違いをしていそうだが。

みく子を探すついでに、借りっぱなしだった本を返す事にした。
『現代IT概論』
これが昔の俺には必要だったのか疑問が浮かぶ。
少なくとも今の俺には必要ない。

図書室に入り、「本貸出システム」へと向かう。
借りた本を返すのに、このシステムを一度通さないといけないのが不便で仕方ない。

しかし「本貸出システム」の端末前に男が座っており、何やらつぶやきながら使用していた。

少し待ったが、「彼の名前は…」とかつぶやきながらニヤリと笑ったのが気味悪く、早くここを立ち去りたくなった。

「すいません、端末使いたいんですけど?」

彼はそそくさと図書室から出て行った。

「あんな男がこの大学に居たかなぁ。」

そうつぶやきながら本を返却する手続きを済ませる。
男が誰か、なんて解るはずがない。
俺は殆ど大学に来ていなかったんだから。

借りていた期間が長すぎて注意を受けた。
聞き流しながら考える。
俺が解るのは、帰国子女のロシュくんくらいだ。
バイトで、ロシュくんがノートン教授の特講を受けている事を知って、興味を持った。話しかけたら、笑って答えてくれたのを憶えている。
思えば、同じゼミだったのに殆ど話せずにいた。彼は俺を憶えてくれているだろうか。
彼くらいの人物がみく子の彼か元彼だったら、きっとみく子は前のように歌えるようになるんだろうな、と考えながら、係員に答える。

「以後、気をつけます。」

さて、ここからが本題だ。

「変わる事は、悪い事なのかな?」

あの夜の、みく子の言葉を思い出す。
図書室を出た後、小さな声でつぶやいた。

「もう一回、叫んでやる。待ってろ。」

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