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二日目:しのめん編 15話

あの日の出来事から、僕は彼女の事を心の中で「エリカ様」と呼ぶようにしている。
差別しない強さ、間違っている事に向かっていく強さ、そういう強さに女神のようなものを僕は彼女に感じていたからだ。


「エリカ様…」


思わず声に出してしまった。
全身の力が抜けてしゃがみ込んで彼女を見上げたら、マンションのエントランスから零れる照明がまるで後光のように感じたからだ。


「ぷ…あっはは…っ」


急にエリカは笑い出した。
僕は自分が口に出してしまった事にようやく気が付いたけれど取り返しはつかない。
焦っても何も出来ることはなく、ただただ顔面の体温を上げるだけだった。


「なんか嫌な気分だったのに吹き飛んじゃったよ」

「……」

「そうだ、しのめんくん。ちょっとうちに寄っていかない?」

「え?そんな、急に行ったら…」

「なによー?エ・リ・カ・様の言う事聞けない訳?」

「ぁ…」


エリカは間違いなく楽しんでいるのだろうけど、反論する元気も動き回る体力も残っていないし、このまま問答していると更に墓穴を掘りそうだったので僕は彼女に続いてマンションの中に入った。


広い。まるで高級ホテルのロビーのようなエントランスだ。
フロントまである。なんなのだろうここは。


「ただいまー」

「おかえりなさいませ」


エリカが機嫌よく挨拶していた。
その後エレベーターに乗り込むとエリカは最上階のボタンを押す。


「しのめんくん」

「ぇ…あ、はい」

「あ、はい。じゃないでしょ?なんでございましょうか?エリカ様でしょ」

「な、なんでございましょうか?エリカ様」

「っぷ…う、うん、あのね、相談したい事があるの」

「わたくしめで良ければなんなりと」


もうヤケクソだ、胸に手を当ててお辞儀までした。
エリカはもう笑わなかった。その代わり俯きながら「ありがと」とだけ言った。

エレベーターが静かに止まり、扉が開いた。
最上階にはまた更にエントランスのような空間が広がっている。
辺りを見回しても玄関らしき扉は一箇所しかない。


(ワンフロア全部がエリカの家…?
 まさか、この空間全てがアルコーブ?)


そんな感想を覚えた自分に少し驚く。


(これじゃニ人ぐらい子供がいて、マンション購入を考えた事があるみたいじゃないか。
 いや、なんだ、この例えは。僕は大学生なのに)


エリカがスタスタと玄関扉に向かっていく。
ここまできて初めて緊張してきた。
女の子の家に行くなんて僕にとっては夢物語のような気がしていたからだ。
それに実家かもしれない。となるとご両親がいるかもしれないじゃないか。


「早くー。こっち、こっち」

「あ、はい」

「あ、はい。じゃないでしょー」

「はい、ただいま」


なんだろう。エリカはお嬢様と執事ごっこ状態が気に入っているみたいだ。
こんな家に住んでいたら本当にお嬢様じゃないか。そう思いながら僕はエリカの家に入っていった。

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