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二日目:奏湖編 07話

季節は秋。
鰯雲の秋空が高く感じる。
今日は、朝からバイトをして夕方、いつもの路地へ向かっている。
みく子さんはいるだろうか。


路地に入ったところで、なにやらしゃがんでいる女の人を見つけた。
でも髪の色がみく子さんじゃない。誰だろう?

その女の人は、ケースからギターを取り出しているようだった。
この人も歌を唄う人なのだろうか。

「っんしょ!」と、元気よくストラップを肩にかけて、女の人は振り返った。
「あ」

意外と近くにいたのでばっちり目が合ってしまった。
このまま通り過ぎるのはいかがなものか。

「あれぇ、初めての子だねぇ。
アタシこれから歌、歌うんだけど、聴いてかない?」

そんな人懐っこい笑顔で言われちゃあ、なおのこと素通りできない(笑)
「あ、ハイ、いいですよ。」
芸の無い返事をして、彼女に近づいた。




それからゆっくりとアルペジオでギターを弾き始める。
キレイな旋律。

歌声は、今日みたいな秋の夕暮れにぴったりのアルト。
ちょっとだけ、淋しい。
でも素敵。



曲が終わって、彼女が話しかけてきた。
「ふぅ。どぉだった?気に入ってくれたかなぁ?」

「はい!綺麗な声なんですねぇ。曲も良かったです。」

「そう?嬉しいなぁ。ありがと♪」



「あれ?二人とも知り合いだっけ?」
私の背後から、みく子さんがギターケースを持って現れた。

「今知り合ったの!ね??」と彼女が私を見る。
勢いで「はい」と答えてしまった。

みく子さんは大きな目を更に大きくして私と彼女の顔を交互に見ていた。
その様子が面白くて、私たちは笑ってしまった。

「で、名前なんていうの?わたしはちこ。」と彼女が自己紹介をした。
「あ、私は奏湖っていいます。みく子さんの大学の後輩です。」

それから少し、三人で話した。
みく子さんとちこさんは、この路地で知り合ったらしい。
ちこさんはたまに、歌うだけでなくみく子さんの歌を聴きに、ココへ来ることもあるそうだ。

「じゃあ、会っていたかもしれませんね」と私が言うと、ちこさんは
「そうだねぇ。この前の飲み会は行けなかったからなぁ、私。」と言った。
そっか。そういえば見なかったような気もする。


「あぁッ!」

急に思い出したから、大きい声出しちゃった。

「・・・どっ、どうしたのっ!?」とみく子さんとちこさん。

「ぁ、いや、写真出来ているので、取りに行かなきゃと思って・・・。それをすっかり忘れていたんです。」

我ながら恥ずかしい。大声出すほどのことか。


「そっか、奏湖ちゃん写真部だっけ?」と、みく子さん。
ちこさんが小さい声で「へぇ?そうなんだ。」と言った。
「そうなんです?。」ちょっとだけ照れくさい。

写真部といっても、自分で現像したり、高い一眼レフを使うような人はごく一部だ。
学園祭で展示はするけど、他の活動は主に飲み会と言ってもいいだろう。

「たまに私も撮ってもらってるんだ?」
みく子さんがちこさんに言う。
「みく子さんは画になるから」と私は言った。

普段、人物は撮らない。空や花など、風景ばかりを撮っている。
撮られるのを嫌がる人が多いから。
でもみく子さんは「全然いいよ?」と撮らせてくれるので、お言葉に甘えているのだ。
出来た写真はもちろん本人に渡しているが、いくつか承諾を得て学園祭に出させてもらうことになっている。

時計を見ると十八時四十八分。
写真屋さんは十九時に閉店だから、ダッシュすればまだ間に合う。
私は二人に別れを告げて、駅前の小さな写真屋さんへと向かった。

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